2010年2月11日木曜日

サーカス

いつもの休日なら朝から呑んだくれているのに、遠足の前夜に眠れない子どものように昨日はドキドキしていた。
生まれて初めてサーカスを観る愛しい妻と35年ぶりに観る私は朝9時30分にはもう家を出た。
東京ドームシティJCBホールの前には、子ども連れの若妻たちの群れや年寄りのグルプーや幼稚園児の団体で溢れてた。
ニクーリンモスクワサーカスの世界を観るために…。

確かに私の記憶が正しければ35年前の春だったと思う。
小学校4年生の時、釜山に初めて海外のサーカス団が来た。
釜山公設運動場のとなりにある体育館にひとりで観に行った。犬や熊や虎の演技はもちろん綱渡り、サーカスのだいごみ空中ブランコ。言葉の壁も乗り越えてしまうピエロの演技などなど。

平日の午前中なのに満員御礼のJCBホール。ポップコーンを片手に持ち温かいコーヒーで開演を待つ。
2部構成で10演目のサーカスは11時に始まった。
少年が夢見るサーカスの世界。謎の世界を少年と探検をする構成で中間休憩入れて弱2時間。
楽しく拍手をしたり踊ったりする私を抑えるのに精一杯の妻。
とっても楽しい時間はすぐ終わり現実に戻らなければならない時間は早く来るものだ。

35年前に観たものとあまり変わりがないと思うのはなぜだろうか。
「感動した!」と言えないのはなぜだろうか。
サーカスというものは確かに古いものだ。演じる演目も伝統的で変わりがないのだ。技術的に熟練する必要があるものだ。新たな演目を開発しないのもサーカスの伝統かもしれない。だからその時代時代に合わせるために照明や衣装や音響の部分だけ発達していると思う。

サーカスって新しいもので感動するものではなく、黙々技術を磨きあげ熟練しだ演技に感動するものだと思う。
温故知新の世界であろう。